【生地の基礎】ウール・コットン・リネン・ポリエステルの違いと季節別おすすめ素材
スーツを構成する最も基本的な要素——それが「生地」です。生地の種類によって、着心地、見た目、シワの出方、耐久性、さらには季節ごとの快適さまでもが大きく変わります。本記事では、スーツに用いられる主要4素材「ウール・コットン・リネン・ポリエステル」の特徴と、季節ごとの最適な使い分けについて詳しく解説します。
ウール(WOOL):スーツの王道素材
ウールはスーツ生地の中で最も広く使われる天然繊維。主にメリノ種の羊毛から作られ、弾力性・保温性・通気性・吸湿性など、衣類に求められる多くの性能を備えています。スーツの定番「Super100s〜130s」などの表記は、ウールの細さ(番手)を示しています。
冬は暖かく、夏は湿気を吸ってくれるため、1年を通じて使える万能選手。とくにビジネスシーンでは、光沢とシルエットの美しさから「信頼感のある印象」を与えることができます。
出典:『The Suit』Nicholas Antongiavanni(2006)適した職種: 金融、法務、商社、教育
コットン(COTTON):自然体でこなれた印象
コットン(綿)は肌触りが良く、吸湿性に優れた天然繊維。スーツに用いられる際は、やや厚みのある綾織(チノ系)や高密度のコットンツイルが主流。ウールに比べてカジュアルな印象で、程よくこなれた雰囲気を演出します。
ただし、シワが入りやすいため、着こなしにある程度の“ラフさ”を許容できるビジネスシーンや、ジャケパンスタイルなどにおすすめ。
適した職種: IT、広告、スタートアップ、教育
リネン(LINEN):夏の定番。涼しく軽やかに
麻から作られるリネンは、吸湿・速乾性に優れ、独特の清涼感を持つ素材です。もともとは地中海沿岸でリゾートウェアとして親しまれた素材で、現在でもイタリアや南フランスのサマースーツには欠かせない存在です。
通気性が良いため日本の高温多湿にも適しており、ビジネスカジュアルやサマージャケットに最適。ナチュラルなシワが特徴で、ドレスダウンにも◎。
出典:『Dressing the Man』Alan Flusser(2002)適した職種: 建築、デザイン、ファッション、小売、クリエイティブ業界
ポリエステル(POLYESTER):現代的で高機能な素材
合成繊維の代表格であるポリエステルは、シワになりにくく、速乾性が高く、イージーケア。近年では高級スーツにもポリエステル混紡の生地が多く使われるようになっています。特に「トロピカル」「ストレッチ」「イージーケア」などの機能素材は、忙しい現代人にとって強い味方です。
100%ポリエステルはやや光沢が強く、ビジネス用途では控えめに使われる傾向にありますが、出張や毎日の通勤ではその耐久性が重宝されます。
適した職種: 営業、出張多めの業種、若手ビジネスマン
まとめ:生地で印象と快適性は決まる
スーツは“布を着る”アイテムです。つまり、生地選びがスーツの印象・快適性・機能性の8割を決めるといっても過言ではありません。Their Suits Clubhouseでは、200種類を超える生地サンプルをご用意し、季節・体型・使用目的に応じて最適なご提案を行っています。
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