2025年5月、金融市場が揺れる中で日銀・植田和男総裁が会見に臨んだ。その装いは、経済の行方を左右する人物にふさわしいものだったのか？今回は彼のスーツスタイルに注目し、信頼性・権威性・季節感といった観点から徹底評価します。
あなたならこの服装、どうする？
植田総裁が纏っていたのは黒に近い深いネイビーのウールスーツ。表面はほとんど艶感のないマットな仕上がりで、非常に落ち着いたトーンを醸しています。肩から胸元にかけてはややタイト気味で、日本人体型に合ったジャストフィット。ラペルは標準幅のノッチドラペルで、誠実な印象を保っています。
白のシャツはレギュラーカラー。細番手のブロードで滑らかさがあり、光沢のない素直な表情。ネクタイはダークネイビーをベースに、太めの斜めストライプでブルーとブラックのコントラストがあり、フォーマルながら現代的な印象も与えています。
クラシックは信頼の象徴：装いの系譜
1950年代以降、欧米の中央銀行総裁は「黒〜ネイビーのスーツ＋ストライプタイ」が定番化。その理由は、冷静・中立・知的という印象が求められるからに他ならない。英国サヴィル・ロウの名門テーラーHenry Pooleは「金融業におけるファッションは“目立たないこと”が最大の主張」と語る。
また、2022年のCambridge Universityによる調査では、「暗色スーツを着た男性に対して、視聴者は16％以上“判断力がある”と感じる」傾向があると報告されています。
実際の印象とシチュエーション評価
ポケットチーフやタイピンは不使用で、全体として装飾は徹底的に排除されています。この潔さは、中央銀行の中立性を象徴する選択でもあるでしょう。髪型は自然なオールバック気味で整えられ、ヒゲはなし。全体にわたり清潔感と非装飾性が統一されており、視線を政策内容に集中させる意図を感じます。
2025年5月という気候にも合致するウール素材で、冷房の効いた会場での記者会見というTPOにもぴったりの装い。すべてが“余計なことを語らない”ファッションで構成されていました。
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