襟の角度で印象は決まる?フォーマルとカジュアルを分けるシャツの真実
第1章:あなたならどうする?
ある日、外資系企業のクライアントとの初対面ミーティング。あなたはワイドカラーシャツを着て臨んだが、ネクタイとの収まりが悪く、どこかカジュアルでだらしない印象に。相手の目が一瞬泳いだ気がして、スーツの完成度への自信が揺らいだ──。

襟の形って、そんなに大事?私は気にしたことなかったけど...

大事どころか、襟は第一印象を決定づける“顔”の一部だよ。特に襟の角度と密閉性は、フォーマル度を左右する大きな要素なんだ。
第2章:歴史や文化から読み解く
襟元のスタイルは19世紀の英国軍服や、20世紀初頭の社交文化の中で徐々に形式化された。最もフォーマルとされる"タブカラー"は、襟先同士をタブで固定することで首元を閉じ、ネクタイを持ち上げる構造をもつ。これは“きちんと整えている”という印象を最大化するための機能でもある。
一方で、カッタウェイカラーのように襟の角度が180度近く開いたものは、首元に余裕を持たせ、ビジネスカジュアルやパーティースタイルに適している。視覚的に“開いている”=“親しみやすさ”を与えることから、セミフォーマル以下での着用が一般的だ。

じゃあ、タブカラーはまるで"制服"みたいにルールを重んじる文化の象徴ね。

その通り。逆にカッタウェイは、個性やリラックスを表現したいときの選択肢になる。
第3章:現代の思想
フォーマルな襟ほど首元の肌露出が少なく、かつ皮脂による黄ばみやヨレが目立ちにくい。現代では“清潔感”が信頼の代名詞とされるため、襟の白さ・整いがそのまま“誠実さ”と読み取られることも多い。
反対に、カジュアルなシャツでVゾーンからインナーが見えると、“昭和のおじさん感”を彷彿とさせ、一気に清潔感を損なう恐れがある。とくにZ世代のビジネス層にとって、襟元から漂う清潔感はSNS映え以上の重要性を持っている。

私、白シャツはアイロンだけで十分だと思ってた。でも皮脂のない襟って、想像以上に大切なのね。

襟元は“目に入る清潔感の最前線”。だからこそ、誰よりもこだわる価値がある。
参考・外部文献
- 『英国スタイルの襟型の変遷』ロンドン紳士服研究所(2020)
- “Collar Spread and Professionalism” - Journal of Social Dress Psychology, 2021
- 『身だしなみと対人評価の相関』心理学研究誌(第58巻第4号)
結論・まとめ
シャツの襟元は、単なるデザインではない。角度、密閉度、清潔感──そのすべてが“印象”という無言のコミュニケーションを左右する。相手の信頼を得たいとき、自分を格上げしたいとき──そのヒントは、あなたの襟元にある。