梳毛と紡毛の違いとは?
スーツの「質感」を決めるウールの選び方
スーツの印象を大きく左右するのが「生地の質感」です。その質感を生む根本的な要素として、ウールには大きく分けて「梳毛(そもう)」と「紡毛(ぼうもう)」の2種類があります。同じウール素材でも、この違いがスーツの光沢感、温かみ、シャープさ、重厚さに大きく関わってきます。

SAKURA:「梳毛と紡毛って、どっちもウールなのにこんなに違うんですね。用途に合わせて選びたいです」
梳毛(そもう)とは?
梳毛は、長いウール繊維を揃えて紡いだ糸から作られる生地です。表面が滑らかで光沢があり、軽やかでシワになりにくい特性があります。都会的な印象を与えるため、ビジネススーツやフォーマルスーツで重宝されます。
- 繊維が均一でしなやか、シャープな見た目
- 光沢があり、高級感を演出
- 通気性が高く、通年着用可能

ANTONY:「梳毛スーツは夏場にも使えるし、ビジネスシーンでは鉄板だね」
紡毛(ぼうもう)とは?
紡毛は短く不均一な繊維をふんわりと空気を含むように紡いだ糸で、保温性に優れています。表面に微細な毛羽立ちがあり、秋冬にぴったりの柔らかい風合いを生みます。
- 保温性が高く、温かみがある
- クラシカルで柔らかい印象
- ツイードやフランネルなどに多く使用

SAKURA:「私は冬は紡毛のジャケットが好きです。温かいし、見た目にも優しさがありますよね」
梳毛 vs 紡毛 比較表
項目 | 梳毛(そもう) | 紡毛(ぼうもう) |
---|---|---|
英語表記 | Worsted | Woolen |
手触り | なめらかでシャープ | ふんわりと柔らかい |
保温性 | 低〜中(通気性あり) | 高(空気を多く含む) |
印象 | 都会的・スタイリッシュ | 温かくナチュラル |
季節 | 春夏秋(通年向け) | 秋冬 |
代表的な製品 | スーツ、スラックス | ツイード、フランネル |

ANTONY:「梳毛と紡毛、シーンによって使い分けられるようになると、ぐっとおしゃれ上級者になれるね」
まとめ:印象と季節で使い分けよう
梳毛と紡毛はどちらも素晴らしい素材ですが、それぞれの特徴を理解することで、TPOに応じた着こなしが可能になります。ビジネスには梳毛、季節感やカジュアルには紡毛——この基本だけでも選び方は格段にレベルアップします。
★ 補足:Super 100'sや130'sなどの表記は梳毛の糸番手を示しており、数字が大きいほど細く、上質で繊細な風合いを持ちます。