ジャケットを脱いだときこそ差が出る！夏のシャツコーディネート戦略

日本の夏は、湿度と気温の高さゆえにジャケットを脱ぐ機会が圧倒的に多くなります。しかし、19世紀のヨーロッパにおいては、シャツは「下着」と見なされ、外で見せること自体がマナー違反とされていました（Christopher Breward,『The Suit』）。

現代日本では、クールビズの普及とともに“ジャケットなし”のビジネススタイルが一般化。その分、シャツ1枚の「設計力」が問われる時代となったのです。

1. なぜ“脱いだ瞬間”が印象を左右するのか

シャツが単体で視界に入る場面は、相手にとって“あなたの清潔感・信頼感”を判断する一発目の材料になります。特に近年の研究では、人間の第一印象の55%は視覚情報に依存していることが示されており（出典：Albert Mehrabian,『Silent Messages』, 1971）、シャツの襟元や前立てが持つ構造的な緊張感が、無意識に「信頼できそうか」を印象づけるのです。

2. 脱いでも“絵になる”シャツの条件

• ① 襟の立体感：台襟の高さや芯地により、襟が寝ない構造が重要。ボタンダウンやワイドスプレッドは実用的かつ印象的。
• ② 前立ての仕様：フロントが間延びしないよう、比翼やプラケット付きがベター。シャツ1枚で“構築性”を保てる。
• ③ 生地の質感：オックスフォード、ドビー、ブロードなどやや厚手かつ透けにくい生地を選ぶのが鉄則。

3. TPO別・夏のシャツスタイル実例

（1）顧客訪問・外出営業

・ライトブルーの形態安定ワイドカラー
・第一ボタンは閉じたまま、ノーネクタイ
・ウールライク素材のスラックスで“品格ある抜け感”を演出

（2）社内会議・リモート対応

・タブカラーやバンドカラーで「真面目すぎず、砕けすぎない」印象
・白や淡グレーなど、画面映えを意識した色選びがポイント

（3）アフター5や軽い会食

・クレリックやストライプで「話題になる」余白を残す
・シャツイン・アウトの切り替えでTPO対応

まとめ：夏の装いは“脱いだ後”が勝負

シャツ1枚になったときこそ、「その人がどこまで考えているか」が見抜かれます。文化的・歴史的に見ても、シャツとは“日常に宿る知性”を表現する装置なのです。

Their Suits Clubhouseでは、単なる機能性だけでなく、TPO・体型・職業的背景までも考慮したシャツ選びをサポートしています。

💬 スタイリング相談はこちら