
ベッドの中でBloombergとFinancial Timesをチェックし、LinkedInでヘッジファンド関連の投稿もカバーしておく。来週のFOMCの発表が気になり、ドル円の動向を頭の片隅でシミュレーションする。NISSIN Azabu Supermarketで買ったillyのエスプレッソを飲みながら、MYPROTEINのプロテインをバッグに詰め、早朝のジムへ向かう。筋トレは健康維持でもあるが、自分のアイデンティティーとして、だらしない体ではいられない。ジムの合間にも東海岸の本社から届くメールを確認し、今月仕掛けているクロスボーダーM&A案件の動きを確認する。シャワーを浴びて鏡を見ると、最近SNSの広告で流れてくるハイフやダーマペンも試してみたい気がしてくる。Tom Fordのタスカンレザーを軽く纏い、出社する。
オフィスに到着。誰も挨拶を返さず、それぞれのディールに没頭している。デスクに座り、コーヒーを片手にPCを立ち上げると、昨夜23時に新人アナリストが夜遅くまで作ったピッチブックが届いていたので目を通す。内容は顧客向けに提案予定の公募社債発行(DCM)の初期案だった。10時半から12時半まではリモートMTGが3件。2件目はCFO相手に、為替ヘッジを絡めた海外子会社買収のM&A案の提案、3件目はESGボンドの発行可能性を探るヒアリング。顧客が経営判断に必要とするマーケットレポートも、こちらで最新のものをまとめて共有しておいた。安定の遅めのランチは事前にアプリで注文したCRISP SALAD WORKSのサラダを受け取り、デスクで食べ終える。レシートを見ると156回目の購入だった。
夜はクライアントディナーという名の鮨カウンター。銀座の静かな店で、投資案件をさりげなく探りながら会話を進める。顧客は最近東カレデートで出会う女性に辟易していたらしく、男女4人でこじんまりとゴルフに行こうという流れになる。顧客が満足してくれれば、それでいい。
帰宅後、Zegnaのスーツのボタンを外した瞬間、ようやく解放感が訪れる。投資ポートフォリオを見直すと、株式と投信の比率は60%から55%に落ち、仮想通貨が急伸していた。多頭飼いしているルンバを避けながら、キッチンで酒のつまみを軽くつくる。ふるさと納税で買ったニンニク味噌に麻布十番のびっくり屋で買ったセロリを合わせ、Picardで買ったムール貝も追加する。先月買ったばかりの冷蔵庫は、一週間前に買った野菜もみずみずしい鮮度を保ったままで驚く。NIKKEIとReutersで相場の確認をした後、休憩がてらYouTubeでDan Takahashiの動画を流す。酔った勢いで買い込んだハーゲンダッツが冷凍庫に60個も残っていて、ため息が出る。長年使っているオーダーメイド枕の買い替えを考えながらも、店に出るのが億劫で、5時間後のアラームをセットし、眠りにつく。